立ち方

基本は、両足を肩幅に開き、体重を均等にかけます。左足を少し前に出し、重心をやや左にかけても構いません。右足に重心が寄りすぎると、ボーイングが不自由になるので注意しましょう。反りすぎや前かがみは、疲れやすくなる原因です。まずは「足を肩幅に、重心は左か両足に」という姿勢を身につけましょう。
正しい姿勢は弾きながら体で覚えることが大切です。
持ち方

体に対して約45度の角度で構えます。楽器の傾きは30度ぐらい、楽器の中心と頭の中心(鼻の延長線上)を合わせます。顎当てに軽く乗せ、頭の重みで支えます。安定していれば、手を離して左手を下ろします。慣れないうちは指導者が位置を整え、慣れてきたら自分で構える練習へ進みます。(図栗原バイオリン教本)
言葉では伝えきれない
以下に教室で気をつけているポイントを詳しく記しますが、最初からすべてを言葉で伝える必要はありません。
まずは、「肩幅に足を開き、重心を均等にかける。」これで充分です。
そのうえで、個々の問題を指摘しております。
あまり、できている点まで細かく説明すると、
言葉にとらわれ「少しでも違うと直さなきゃ」と気にしすぎてしまいます。
ここに書かれている内容は、あくまで、弾きにくい基本と離れた生徒に対してだけ指摘しております。
ではご一緒にまいりましょう!
基本姿勢て固まってはいけない
基本姿勢とは、どんな動きにもスムーズに移れる「準備の姿勢」です。
けっして、「ずっとこの形を保ちなさい」という意味ではありません。
見た目を意識しすぎて、不自然な動きを加えるのはよくありませんが、
心の奥から湧いてくる感情や衝撃が、ふと動作に現れるのは自然なことです。
それを無理に抑える必要はありません。「自然な姿勢をいつも保たなければ」と、
かえって緊張やこだわりが生まれてしまうなら、
その重たい意識は手放してかまいません。
正しい姿勢にとらわれすぎて体が固まってしまい、
演奏の柔らかさや自由さが失われるようでは、本末転倒です。
姿勢が崩れると、演奏に支障が出たり、体に負担がかかることもあります。
「最近どうもスピッカートがうまく飛ばない」「ポジション移動がスムーズにいかない」「ビブラートが大きくかけられない」——そんな悩みの背景に、肩こりなどを感じていませんか?
これらの不調の原因は、実は姿勢にあることが少なくありません。
だからこそ、基本に立ち返り、自分の姿勢を見直す『姿勢チェック』が大切なのです。
悪い姿勢のまま演奏を続けていると、演奏の質だけでなく、身体の健康にも影響を及ぼします。
無理のない姿勢は、演奏のためだけでなく、長く音楽と向き合うための体づくりでもあります。