演奏がキラリと輝く瞬間
お子さんや生徒さんの演奏を聴いて「何が違うんだろう?」と感じたことはありませんか?
演奏をキラリと輝かせる大きな要素の一つが 拍感(はくかん) です。
拍感とは、単に拍を数えることではなく、音楽の心臓ともいえるリズムや流れのエネルギーを身体で感じて表現することです。
拍感が大切な理由
- 音楽のエネルギーの波を楽しめる
- 演奏がスムーズに流れ、聴く人に心地よさを届けられる
- 一体感や躍動感が生まれる
拍感のメカニズム
4拍子の曲を例にすると「1」が一番大きく、「3」も少し強く感じます。
単に「1、2、3、4」と平坦に数えるのではなく、強弱のエネルギーの流れを感じることが拍感につながります。
子どもたちの実践・・リトミックを取り入れる
リズムと聞くと「手拍子」を思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも本当のリズムは、感情や呼吸と結びついていて、曲の中で大きな役割を果たします。
子どもたちもゲームのように楽しみながら、「準備 → 音 → 余韻」を体で感じています。
演奏前の「息を吸う瞬間=準備」がとても大事です。(弾く前から音楽は始まっています)
リトミックではこれを アナクルーシス と呼びます。
- アナクルーシス … 準備・助走(息を吸う)
- クルーシス … 到達点(音を鳴らす瞬間)
- メタクルーシス … 開放・余韻(音が減衰する流れ)
バイオリンでも同じです。
弓を動かす前に「構える・待つ」時間がアナクルーシス、弦を鳴らした瞬間がクルーシス、音の響きが消えていくのがメタクルーシス。
これを意識すると、ただ音を出すのではなく、音楽の呼吸が自然に表れるようになります。
拍感を育てる3つの実践方法
1. ステップや手拍子を取り入れる
リトミックのようにビートに合わせて歩いたり、膝の上で手拍子を打つことで拍の流れを感じられます。
歩く場所がないときは、手で円を描きながら「1〜4」を感じ取るのも効果的です。
2. 歌う
全身で指揮をしながら歌って伝えるように、ご自身で式をしながら歌ってみましょう。
- 知っている歌は歌詞で
- 練習中の曲はドレミで
腕の動きを「シュッ」「ストン」と擬音で遊ぶように取り入れると、小さなお子さんも自然に音楽の流れを体感できます。