バイオリンを持つ前に

 演奏の基本姿勢を作っていきましょう。初歩の段階で弾きやすい事より、完成した時に弾きやすい姿勢が正しい姿勢です。
又、これが唯一の正しい姿勢と言うのではなく、あくまでも「基準」です。
 バイオリニストによって姿勢持ち方が違います。外見よりもどこを意識するかが大切だからです。


 

両足の開き方

 両足は肩幅に開き足先は自然に外に向けます。
理由足の幅と向きはこれから何をするのか考えれば明白。
演奏中上半身の激しい動きに柔軟に対応できる姿勢です。「気を付けの姿勢」では不安定です。

スズキ教本では
1、左足をやや前に出し

2、左に重心をかけるとあります。

  • 左を前に出すと安定して右手の運動が楽になります。しかし、これは個人差で効果も違います。
  • 「足を引く」「重心を左」に関しては やりすぎると体に捩じれたり、重心が左に行き過ぎてバランスが取れなくなります。

バイオリンを構える

足を肩幅に 力を入れず立ちます。体重は平均的にかけます。

軽く左を向きます。
普段から、左右に首を動かす習慣を付けましょう。

左手で右肩をつかみます。(なるべく深く)


身体に対して45度に
バイオリンを入れます。

指導者が手を放します。
声を出すと力が抜けて良い。
30秒を目安に。
背骨を伸ばす。

手を下す。
歩いてみると良い。
自身がなければゴムかけがお勧め

重心

  • 左右
    体の中心orやや左より
  • 前後
    やや前よりか中心
  • NG
    かかとに重心をかける。極端に前にかける。
    ※なぜか?=今から何をしたいのか?体の上部で板を持ち棒で擦る。安定していて、右手を動かしやすい姿勢と考えるとこうなります。

下半身

 バイオリニストの動きを見上半身だけで弾いている人はいません。上半身は下半身のサポートで最高のパフォーマンスができます。激しく繊細な指の動きに対応できる、柔軟なバネである下半身があってこそです。

上半身

長時間練習しても疲れや腱鞘炎などの傷みが出ない自然な形を基礎と言います。
基礎の姿勢とは又腕や指の運動能力を最大限に引き出す姿勢ともいえます。
極端な事を避ける

  • 極端な事を避ける
    胸を張りすぎない、こしを反り過ぎない。→呼吸が浅くなるし筋肉に負担がかかる。
  • 腰を曲げない、お腹を出さない→一時的には楽だが長時間その姿勢でいると故障の原因になる。
  • 猫背にならない→ 腕や背中の筋肉に負担がかかる。息が浅くなる。

ひざは柔らかく

レッスンでひざの状態を見ると将来が見えると言っても過言ではありません。膝が硬直化しているという事は全てのパフォーマンスが硬直化しているのです。
ピンピンに延ばすのではなく歩くときのように弾力を持たせます。(普通にします)
よほどリズム感が悪い生徒を除き足でリズムを取りながら弾くのはお勧めできません。

幼児へのアイデア

日常生活に 首やアゴを使うという事はまずありません。しかし、バイオリンの第1歩はアゴでの保持です。
ある程度の年齢のお子さんだと退屈でも 必要を感じて練習しますが 幼児はお遊びにしなくては 反復練習はしてくれません。

普段の姿勢も影響する

 弾いているときにバイオリンが下がることがよくあります。普段の姿勢も見直して欲しいのです。食事や勉強の姿勢がバイオリンの姿勢に影響します。


バイオリンはどこを意識して持つのか?

基本三点
鎖骨の上に置き、左肩にも少しあたる、あご当を顎で軽くて前に弾くように押さえる。
バイオリンは鎖骨とアゴで挟みますが、
裏技ですが鎖骨と仙骨を意識すれば上手く持てます。
鎖骨に置いたバイオリンをアゴを力ませて持つのではなく頭の重みを利用します。言葉のニュアンスの違いは実際には大きな違いです。
遊び(ゆとり)を作る。
もう一つ大切な事があります。「バイオリンが動く(回転する)遊びスペースがある」ことです。バイオリンを接着剤で固定するイメージではなく、回転可能に軽く持つイメージです。


左手で支えない

バイオリンは顎で支えます。演奏中、一瞬支えたり、高度なテクニックの補助として支える事はありますが、最初から左手で支えてはいけません。しかし、よくある事です。

バイオリンの向き

バイオリンの向きは「バイオリン+弓」で決まります。
右手と左手の最大のパフォーマンスを考えて実際に弾いてみましょう。
実際には45度が基準です。
バイオリンが右に行き過ぎれば、弓が届きません。左に行き過ぎれば左手首に負担をかける事からです。
どの角度が、弦に対して直角に弓維持できるか?がポイントです。初心者、中級者は弓を正しく弾くこと自体が難しいと思います。

バイオリンの高さ

バイオリンと床は水平か少し上向きが基準です。下向きに持つのは問題があります。
長時間弾くわけですから下向きにすると弓が指板の方に滑っていくからです。それによって音が小さくなり、バイオリンと体の空間が狭くなる事で音が曇ってゆきます。
バイオリンを上げると体とバイオリンの空間は広がります。また弓が指板寄りになるために音が響きやすいです。バイオリニストが瞬間的にこういう姿勢をするのはこの理由からです。

バイオリンの角度

バイオリンの回転角度は、4本の弦の響き、弾きやすさに関係します。わずかな事ですが最初に最高のパフォーマンスが出来る基準姿勢を身につける事で得られるもの得られない物が見えています。床とバイオリンが平行だったらG線がやや弾きにくい、傾けすぎるとE線が弾きにくい。
 自然に内側に傾けるのが一般的な持ち方です。演奏中の角度は毎秒弾きやすいように変化します。

最終的には

色々書きましたが、最終的には生徒にバイオリンを「バイオリンを構える」の順で保持させて「どんな感じで持ったか見る」→「悪い所を理由を言いながら直してゆく」これの繰り返しです。
 生徒は上記全部の知識を習得する必要はなく、唯一自分の正しい姿勢を体で覚えればいいのです。



柔軟な下半身が手の動きを助けます。

 音楽は時間芸術、1秒ごとにパッセージが変わってゆきそのパッセージに最高な演奏姿に体制を変えてゆきます。
曲の要求を受け入れ最高のパフォーマンスができるように。アスリートのように次々と曲の欲求に従ってゆきます。